これが現実

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Q. 日本政府の方針は?

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A. 日本政府は原発事故発生から一貫して、「事故や被害をできるだけ小さく見せたい」「パニックを防ぐ」「国民の不安を払拭する」ために真実を隠し、ほとぼりが冷めた頃に公表してきた(もしくは今でも隠したままである)。これは福島第一原発事故の進展、放射能汚染の実態、被曝の実態など全て同様である。また、地方自治体・NGO・市民団体が調査など、独自の行動を起こすとそれを無視したり、妨害したりしてきた。政府の指示や情報は真実なのか、隠蔽がないか常に疑わなければならない。

 実例は文字通り「枚挙にいとまがない」が、印象に強く残っている4例を取り上げる。長いので、引用部分は適当に読み飛ばしてください。

原発事故の実態

メルトダウンの可能性を早くも震災翌日の3月12日に、言及していた人物がいた。その人こそ、原子力安全・保安院の中村幸一郎審議官である。
ところが、菅直人首相と枝野幸男官房長官はこの中村氏を、「国民に不安を与えた」という理由で、更迭してしまっていたのである。このことは、週刊ポスト誌が4月1日号でスクープしていた。

出典:「メルトダウン」とっくに承知! 恐るべき口封じを行った菅+枝野の大罪 ネット選挙ドットコム

 東京電力がメルトダウンを認めたのは、事故後2ヶ月が経った5/12である。

汚染地域の実態

木村真三氏の調査により、原発から30km圏外(避難指示外)の浪江町赤宇木(あこうぎ)でホットスポットが見つかった。放射線量は屋外で80μSv/h(飯舘村の3倍)、屋内で20μSv/h、ヨウ素131は2320万Bq/m2、セシウム合計は400万Bq/m2だった(3/28時点)。ここが計画的避難区域になったのは、4/11だった。
文部科学省は3/15に汚染を測定し、数値は公開していたが、地名は伏せられていた。浪江町にも報告はなかった。文部科学省に取材したところ、それは風評が広がることを恐れたからということだった。

出典:NHK ETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図 ~福島原発事故から2ヶ月」(23分頃~44分頃)
参考:文字おこし(2)『NHK ETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図」?福島原発事故から2ヶ月?』:ざまあみやがれい!

 国は汚染の実態を把握することはやるが、それで住民が被曝しようが、知らんぷりである。SPEEDIの情報公開についても同様であった。あれは国民に知らせる必要はなく、避難指示を出すために国が知るだけで良い、ということだった。避難指示はまともに出さなかったのだが…。

海洋汚染の実態

日本の領海(沖合約22km)内のグリーンピースの調査は認められず、調査船は福島海域から離れた。その結果、国際環境団体の調査を断ったということで、日本政府は海外政府から疑いの目で見られている。
「日本政府はわかめやこんぶなどの海藻類の調査を行なわないのです。アサリやホタテ、ウニなどの貝類も同様ですが、こうした固定性の生物こそ放射能汚染の影響を受けやすく、調査の対象とすべきなのです」

出典:世界で2ヵ国しかない、グリーンピースの海洋調査を断った国・日本。政府は今すぐ独自に調査をやり直すべきだ | ジャーナリスト上杉隆 -公式ウェブサイト- takashi uesugi – official web site
参考:プレスリリース:2011/4/28 日本政府、グリーンピースの海洋調査を許可 しかし、領海内調査を拒否で不十分 | 国際環境保護NGOグリーンピース
参考:プレスリリース:2011/5/12 高濃度の放射性物質を海藻類から検出 グリーンピースの海洋調査で、政府に緊急調査を要請 | 国際環境保護NGOグリーンピース

<海洋調査における時系列>
4月20日:グリーンピースがオランダ政府を通じて日本政府に海洋調査を申請。
魚類、海藻、底質などを含む調査計画書を提出。
4月25日:日本政府・東京電力、海洋調査の強化を発表。
4月27日:日本政府、虹の戦士号による領海内での調査を拒否。領海外での調査も規制。
4月29日:東京電力、底質調査を実施(5日発表)。
5月2日~9日:グリーンピース、沿岸および沖合で海洋調査を実施。
5月6日:日本政府、海域モニタリングの広域化を発表。
5月12日:グリーンピース、海洋調査の暫定結果を発表。海藻類の調査強化及び漁業者への損害補償を日本政府に要請。
5月19日:厚生労働省、貝類や海藻類の調査結果を発表。

出典:プレスリリース:2011/5/26 規制値超の放射性物質を魚、貝などからも検出 グリーンピースの海洋調査で、政府に再度調査を要請 | 国際環境保護NGOグリーンピース

 まとめると… 国は海洋調査は適当に済ませていた。グリーンピースが詳細な海洋調査をしようとすると、自分たちでやるからと、それを拒否した。ところがそれもまた適当な調査で済ませた。グリーンピースが再度詳細な海洋調査を….(以下繰り返し)。汚染を小さく見せたいがために、国は第三者に詳細に調査されては困るのである。

 ちなみに海藻はヨウ素を蓄積しやすいが、放射性ヨウ素の半減期は8日なので、時間が経ってから調査すると、汚染度を小さく見せることができてしまう。

被曝軽減策の実態

・高木義明文部科学相は4月26日の記者会見で、原発事故を受けた放射線対策として、福島県郡山市が小中学校の校庭などの表土を取り除く方針を示したことについて「市としての独自判断だと思うが、事実関係を確認したい」と述べ、取り除いた土の処分方法なども含め、福島県を通じて詳しく事情を聴く意向を示した。
・文科省が「除去は今のところ不要」と繰り返すなか、4月27日、福島県郡山市が「保護者の要望に応える」と校庭の表土除去に着手した。
・郡山市などは処理策を示すよう文科省に要請。文科省は各省に相談している。だが、環境省が所管する廃棄物処理法や土壌汚染対策法は放射能を帯びた校庭の土は対象外。経済産業省が所管する原子炉等規制法も原発敷地外なので対象外。各省とも打開策を打ち出せないでいる。
・東京電力福島第1原発事故で、通常より高い放射線量が福島県内の校庭などから検出されたことを受け、文部科学省などは5月8日、福島市で、表土と下層の土を入れ替える方法でどの程度放射線量が低減するかの調査を行った。入れ替え後の表土の放射線量は10分の1以下に低下し、一定の効果が確認された。
・放射性物質が含まれる福島県内の校庭の土の処理方法について、文部科学省は5月11日、表層の土を削って下層の土と上下を入れ替える方式と、敷地内に掘った穴にまとめて埋める方式が、放射線量の低減に有効との考えを福島県教委に通知した。今後、同県内の学校ではこの2方式での土壌処理が進む見通しだ。

出典:各種ニュースソース

 まとめると… 国は校庭表土の除去は不要と言ってきた。ところが、それに反して福島県郡山市が独自に除去に着手した(4/27)。国は自治体が勝手なことをするなと怒る。一方、除去した土は放射性廃棄物だが、国は縦割り行政で処分方法を提示できなかった。そこで、土を上下入れ替えたり、掘った穴に埋める方法を実験してみた(5/8)。線量が下がることを確認できたので、それを福島県教育委員会に提示した(5/11)。

まとめ

 要するに、国は汚染が少ないように見せること、賠償をできるだけ少なくすることが大事で、子どもや国民の身の安全などどうでも良いと思っている。自治体もNGOも市民団体も余計なことはするな、どんなに被曝しようと、国民は国の方針に従っていれば良いのだ、国は元々何の責任もとるつもりもないのだから、ということである。



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