これが現実

genjitsu.jp

Q. 海水は飲料水より基準が厳しいのか?

| 0 comments

A. Yes.

基準値

まず海水の基準値から。

 環境省は6月23日、海水浴場で安全に泳げるかどうかを判断する放射性物質濃度の基準として、放射性セシウムは水1リットル当たり50ベクレル以下、放射性ヨウ素は30ベクレル以下とする案をまとめ、原子力安全委員会に示した。同委員会はこの基準で問題ないと回答。環境省は6月24日に全国の都道府県に通知する。

 環境省によると、基準値は小学生が2カ月間、海や川、湖などの水浴場で毎日5時間泳いだ場合を想定。水を1リットル飲み、傷口から放射性物質が入り込んだと仮定して被曝(ひばく)線量を計算すると、放射性セシウムが年間69マイクロシーベルト、同ヨウ素が98マイクロシーベルトとなり、子供も含めた一般の年間被曝線量限度である1ミリシーベルトの10%以下に収まるという。

 飲料水の暫定基準値(1キロあたり放射性セシウム200ベクレル)より厳しくしたことについて、環境省は「海水浴は日常生活に不可欠なものではないので、余分な被曝を極力抑えようと考えたため」と説明している。

出典:2011年6月23日 産経新聞 【放射能漏れ】放射性物質濃度の基準 海水浴、飲料水より厳しく 環境省「余分な被曝抑える」 – MSN産経ニュース

 飲料水は、2011/3/17に摂取制限の暫定基準値として、ヨウ素が 300Bq/kg(乳児は 100Bq/kg)、セシウムが 200Bq/kg、と決められた(出典:放射能汚染された食品の取り扱いについて)。ちなみにそれ以前は放射能についての基準値がなく、WHOの基準(1年間で0.1mSv未満になるように、ヨウ素が 10Bq/L、セシウム137が 10Bq/L)が準用されていた。

なぜ?

 なぜ海水は飲料水より基準が厳しいのか? 「海水浴は日常生活に不可欠なものではないので、余分な被曝を極力抑えようと考えたため」ということは、飲料水は日常生活に不可欠なものなので、それによって被曝することは余分ではなく、仕方ないということなのか?

 飲料水は人間にとって不可欠なものなので、事故時には基準が引き上げられます(平時の基準では飲料水が確保できないおそれがあるが、それは生存の危機だから)。これはWHOの文書にも書かれています。基準は高いですが、今は検出されていないはずです

 いっぽう、海水浴をしなくても生存に影響はないので、「なるべく被曝しない」という観点からは厳しい基準のほうがいいわけです

出典:Togetter – 「菊池誠さんによる「海水浴の水と飲料水、基準値の違い」」
参考:WHO 飲料水水質ガイドライン(PDF) p.197~

 恐らくこれが基準を決める際の根拠なのだと思う。整理すると、

  • 飲料水:生命維持に必要不可欠なもの。飲料水が放射能汚染されたために供給されず、それで病気になるくらいなら、汚染水でも供給した方がマシである。従って原発事故などの緊急時は基準を緩める。
  • 海水:海水浴は生命維持に必要不可欠なものではない。従って基準を緩める必要はない。

 つまり暫定基準値を守れば「安全」なのではない。放射能汚染されていたとしても、水道水が供給できるレベルまで基準を緩めた、という方が正確である。ミネラルウォーターなど安全な飲料水を手に入れられて、かつ、年間0.1mSvを守るためには、ヨウ素 10Bq/L、セシウム137 10Bq/Lの基準は変わらない。

※菊池誠氏は放射線障害を軽視されているようです。発言を参考にされる際は、ご注意ください。 参考:原発業界御用学者リスト @ ウィキ – 菊池誠

結論

 汚染地域では、そこを離れるか、安全な飲料水を手に入れるか、できない住民は水道水によって内部被曝してもやむを得ない、という判断である。さらに政府の暫定基準値は飲料水が対象なので、日本で詰めたミネラルウォーターについては日本人誰もが注意しなければならない。

 一方の海水は、被曝を避ける従来の考え方から、飲料水より厳しい基準となったのである。



関連記事

コメントをどうぞ

必須項目 * (メールアドレスは公開されません)

*