これが現実

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Q. 飲料水・牛乳・乳製品の基準は?

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A. 2011/3/17以降、摂取制限の暫定基準値が定められた。※本投稿はICRPの勧告する線量換算係数に基づいて計算した。

2011/3/17までの日本の基準値(飲料水)

 水道法の水質基準には放射能の項目がなかった。WHOの飲料水水質ガイドラインを準用していたらしい。

 WHOの基準は、1年間の飲料水摂取による預託実効線量(内部被曝で受ける放射線量)が、0.1mSv になるように定められている。これは自然放射線量の10分の1程度、ICRPとIAEAが勧告する一般住民の線量限度値 1.0mSv の10分の1で、大半のWHO加盟国・EU・FAOで受け入れられている。1年間に大人が730リットル飲料水を摂取するとして、放射性核種ごとに次の基準が算出される。

  • ヨウ素131:6.2Bq/L(四捨五入して 10Bq/L)
  • セシウム134:7.2Bq/L(同 10Bq/L)
  • セシウム137:10.5Bq/L(同 10Bq/L)

出典:WHO 飲料水水質ガイドライン(PDF) p.197~209(※数値は p.202 の数式を元に算出した)

 ただし、これらは放射性核種ごとに年間 0.1mSv になる基準のため、実際は合算しなければならない。例えばすべて 3Bq/L 入っていれば、合計で 0.12mSv となり基準を超える。

2011/3/17以降の日本の暫定基準値(飲料水・牛乳・乳製品)

 福島原発事故が起きたため、原子力安全委員会の指標値を厚生労働省が暫定基準値と定めた。飲料水・牛乳・乳製品の数値は次の通りである。

  • ヨウ素131:300Bq/kg(乳児は 100Bq/kg)
  • セシウム134:200Bq/kg
  • セシウム137:200Bq/kg

出典:放射能汚染された食品の取り扱いについて

 ヨウ素131がWHOの約50倍、セシウムが約20倍である。この根拠は何か? 実は前述のWHOガイドラインで、核事故発生後1年間はIAEAの定めた「食材に関しての一般的アクションレベル」が適用される、とある。それが次の通りである。

  • ヨウ素131:1,000Bq/kg(乳児は 100Bq/kg)
  • セシウム134:1,000Bq/kg
  • セシウム137:1,000Bq/kg

出典:Recommended generic action levels/Guideline levels in foods

 Q. 海水は飲料水より基準が厳しいのか? でも書いたが、核事故が発生してしまった場合、基準を緩めないと飲料水を供給できない。従って、汚染された飲料水を我慢して飲んでくれ、という理屈である。決して安全な基準ではない。牛乳・乳製品もまた同様である。

飲料水の汚染実態

 3/20に福島県飯舘村簡易水道でヨウ素131が 965Bq/kg、3/22に北千葉広域水道企業団でヨウ素131が 336Bq/kg、検出されている。しかしヨウ素の半減期が8日であることから、いずれも数日で急速に減少した。
参考:上水(蛇口水)のモニタリング:文部科学省
参考:福島県ホームページ – 組織別 – 飲料水測定結果・検査結果関連情報
参考:北千葉広域水道企業団 水道水の放射性物質の測定結果等(PDF)
参考:福島県(飯舘村含む)における水道中の放射性物質に関する情報について(第2報)|報道発表資料|厚生労働省

牛乳の汚染実態

 原乳の摂取・出荷制限が3月に福島県内であった。飯舘村の原乳でヨウ素131が 5,300Bq/kg 検出された例もあるが、いずれもヨウ素は半減期に従って減少し、4月末までには解除されている。しかし7月に入ってから再び、各地でセシウムが検出されるようになってきたので、注意が必要である。
参考:出荷制限のあった地域と品目の放射能検査結果のグラフ
参考:原乳(乳) | 食品の放射能検査データ
参考:放射性物質の埼玉県産農産物への影響調査結果について – 埼玉県ホームページ → 原乳

追記 2011-09-03

 水道水中の放射性物質については、下記の資料によくまとめられている。一部を抜粋する。
出典:水道水における放射性物質対策 中間取りまとめ全文(PDF)

  • 放射性ヨウ素が 300 Bq/kg を超過したため、水道水の摂取制限及びその広報が行われたのは、福島県内の1簡易水道事業であった。
  • 放射性ヨウ素が 100 Bq/kg を超過したため、乳児による水道水の摂取制限及びその広報が行われたのは、5都県(福島県、茨城県、栃木県、千葉県、東京都)内の計 20 の水道事業者等であった。
  • 放射性セシウムが 200 Bq/kg を超過したため、水道水の摂取制限及びその広報が行われた水道事業者等は存在しない。

水道水の摂取制限及びその広報を実施した水道事業者等の位置図
図:水道水の摂取制限及びその広報を実施した水道事業者等の位置図



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